2008,05,18, Sunday/yoko
3話 小さな声 (2)

[3話: 小さな声 (1) のつづきデス]
何日かして Yoko が、あたらしい ボクのカゴ を作った。 前のカゴより、もっと広い。 それからカゴを、これまでで一番高いところに置いてくれた。 そこからは、部屋の中も、外のソラもよーく見える。
ボクは、ぽつんと、その中にいた。
いままでで一番高いところ。
「自由に出入り出来るように」って Yoko が階段もつけてくれたけど・・・ボクは、何日も何日もカゴに閉じこもって、窓の外に向かって きっちゃん を呼びつづけた。
ある朝ね、目が覚めたら、いつもより静かな朝だったんだ。 空気が ぽわんっ と、やわらかかったから、ボクはそぉ~っと動かずにいた。
ソラがうすい青色になったよ。 きっちゃんのおなかとおんなじ色だな・・・キレイだな。 ソラって、ナニ?・・・ ボンヤリ ながめてた。
そしたら、 Yokoの顔 をね、おもいだしたんだ…
きっちゃん がいなくなってから、Yoko もずっと元気がなかったよ。 ボクがいっしょうけんめい きっちゃん を呼んでいると、Yoko も鳴いた。 鳴きながら Yoko の目から水がぽろぽろ落ちてくる。 何度もボクに 「ごめんね」 って言った。
なんで 「ごめんね」 なのかはわからない。 なんで、水がぽろぽろ出てくるのか、わからない。
そうだ… Yoko はドコ?
高いところから階段を降りるのは怖かった。 ボクの足は、木をじょうずにつかめないんだ。 すぐ落っこちそうになっちゃう。 でもゆっくり、ちょっとずつ降りていった。
家の中は、やっぱり静かで、ボクのカサコソ言う足音しか聞こえない。 Yoko はドコだろ…
きっちゃんはね Yoko を探すのがうまかったんだ。 どこの部屋にいたって、Yoko を見つける。 毎朝 Yoko を起こしに行ってたのも きっちゃん だった。
ボクはいつだって、きっちゃんの後をついていけば良かったんだ。 あはは~、だって歩くより、飛んでく方が早いに決まってるもん。 ・・・飛べないボクは、いつだって きっちゃん の後をトコトコ追いかけていくことになるんだ。
Yoko の眠ってる部屋は遠かった。 いつもよりずっと遠かった。 眠ってる Yoko が見えたとき、なぜだかボクは立ち止まっちゃった。 どうしたらいいかワカラなくなったんだ。
Yoko がふっと目をあけてボクをみた。 Yoko はびっくりしてた。
ソバに行っていいのかな…。
ボクが Yoko のソバに行こうとすると、いつも きっちゃん が飛んできて、ボクに ふらいんぐキック かましたりするんだよっ! きっちゃんは Yoko が大好きだったからね。 Yoko を取られちゃうって、思うんだ、きっと。 だから、ボクはずっと Yoko のソバには行かないようにしてたんだ。
ちょとだけ Yoko の近くへ寄ってみた。 きっちゃん は飛んでこない…。
Yokoが 「おはよ、ぴぃさん。 おいで」 って言った。 だからまたちょっとだけ、近くへいった。
Yoko が指を出して待ってる。
ボクはその指に、そぉっと乗った。
「階段、怖かったんじゃなかったのか? どしたの?!」
ボクは Yoko を見た。 ケド、なんて言ったらいいのかワカラなかった。
「起こしにきてくれたの?」
ボクは、その日、初めて声をだした。 何て答えたらいいのかワカラなくて、ちっちゃな声しか出なかった。 きっちゃんがいなくなってから はじめて、きっちゃんを呼ぶ声以外の声だった。
「…ありがとうね、ぴぃ」
声を出したとき、やっとわかったんだ。 ボクの声・・・いま きっちゃん には届いてないんだな・・・
ボクはね、決めたよ。
Yoko を毎朝起こすんだ。 きっちゃん がやってたみたいに。
いま、ボクのちっちゃな声に このヒト が返事してくれたから。
たくさんのことが頭の中で くるくる してる。 Yoko に伝えようと思ったケド、ボクの口から出てきたコトバは
ミぃ…
「ぶはっ! キミは子猫かっ?!」
インコだよっ!
ぬぐぁ~… ボクの しこう は、とても たかい じげん にあるのだっ! このひと言がどれだけフカいか、Yoko なんかにはワカラナイのだっ!
と、言ったつもりが
ミ!
「やっぱ、猫だ。 あはは。。。」
ワラうなーっ! って言おうとしたら、落っこちた。
「・・・・・ホント・・・・・」
Yoko はボクを もぅ一度指に乗せて、言った。
「どんくさいのぉ・・・」
ぬあ~~っ!!
・・・・・・イマに見てろよ・・・・・・
Yokoの顔は・・・笑ってる。
・・・・・・ま、いっか。 Yoko がうれしそうだから、さ。

あっという間に、また はる がきた。
きっちゃん いまナニしてる?
あいかわらず飛べないケド…
ボクは げんき だよ。
<3話 小さな声: おわり>
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そしたら、 Yokoの顔 をね、おもいだしたんだ…
きっちゃん がいなくなってから、Yoko もずっと元気がなかったよ。 ボクがいっしょうけんめい きっちゃん を呼んでいると、Yoko も鳴いた。 鳴きながら Yoko の目から水がぽろぽろ落ちてくる。 何度もボクに 「ごめんね」 って言った。
なんで 「ごめんね」 なのかはわからない。 なんで、水がぽろぽろ出てくるのか、わからない。
そうだ… Yoko はドコ?
高いところから階段を降りるのは怖かった。 ボクの足は、木をじょうずにつかめないんだ。 すぐ落っこちそうになっちゃう。 でもゆっくり、ちょっとずつ降りていった。
家の中は、やっぱり静かで、ボクのカサコソ言う足音しか聞こえない。 Yoko はドコだろ…
きっちゃんはね Yoko を探すのがうまかったんだ。 どこの部屋にいたって、Yoko を見つける。 毎朝 Yoko を起こしに行ってたのも きっちゃん だった。
ボクはいつだって、きっちゃんの後をついていけば良かったんだ。 あはは~、だって歩くより、飛んでく方が早いに決まってるもん。 ・・・飛べないボクは、いつだって きっちゃん の後をトコトコ追いかけていくことになるんだ。
Yoko の眠ってる部屋は遠かった。 いつもよりずっと遠かった。 眠ってる Yoko が見えたとき、なぜだかボクは立ち止まっちゃった。 どうしたらいいかワカラなくなったんだ。
Yoko がふっと目をあけてボクをみた。 Yoko はびっくりしてた。
ソバに行っていいのかな…。
ボクが Yoko のソバに行こうとすると、いつも きっちゃん が飛んできて、ボクに ふらいんぐキック かましたりするんだよっ! きっちゃんは Yoko が大好きだったからね。 Yoko を取られちゃうって、思うんだ、きっと。 だから、ボクはずっと Yoko のソバには行かないようにしてたんだ。
ちょとだけ Yoko の近くへ寄ってみた。 きっちゃん は飛んでこない…。
Yokoが 「おはよ、ぴぃさん。 おいで」 って言った。 だからまたちょっとだけ、近くへいった。
Yoko が指を出して待ってる。
ボクはその指に、そぉっと乗った。
「階段、怖かったんじゃなかったのか? どしたの?!」
ボクは Yoko を見た。 ケド、なんて言ったらいいのかワカラなかった。
「起こしにきてくれたの?」
ボクは、その日、初めて声をだした。 何て答えたらいいのかワカラなくて、ちっちゃな声しか出なかった。 きっちゃんがいなくなってから はじめて、きっちゃんを呼ぶ声以外の声だった。
「…ありがとうね、ぴぃ」
声を出したとき、やっとわかったんだ。 ボクの声・・・いま きっちゃん には届いてないんだな・・・
ボクはね、決めたよ。
Yoko を毎朝起こすんだ。 きっちゃん がやってたみたいに。
いま、ボクのちっちゃな声に このヒト が返事してくれたから。
たくさんのことが頭の中で くるくる してる。 Yoko に伝えようと思ったケド、ボクの口から出てきたコトバは
ミぃ…
「ぶはっ! キミは子猫かっ?!」
インコだよっ!
ぬぐぁ~… ボクの しこう は、とても たかい じげん にあるのだっ! このひと言がどれだけフカいか、Yoko なんかにはワカラナイのだっ!
と、言ったつもりが
ミ!
「やっぱ、猫だ。 あはは。。。」
ワラうなーっ! って言おうとしたら、落っこちた。
「・・・・・ホント・・・・・」
Yoko はボクを もぅ一度指に乗せて、言った。
「どんくさいのぉ・・・」
ぬあ~~っ!!
・・・・・・イマに見てろよ・・・・・・
Yokoの顔は・・・笑ってる。
・・・・・・ま、いっか。 Yoko がうれしそうだから、さ。

あっという間に、また はる がきた。
きっちゃん いまナニしてる?
あいかわらず飛べないケド…
ボクは げんき だよ。
<3話 小さな声: おわり>
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2008,05,18, Sunday/yoko
3話 小さな声 (1)
あったかくなったね。 どうきょにん と一緒にくらしはじめて、4回目の はる がきた。 あっ、どうきょにん って、Yoko のことね。このうちに来たばっかりの さいしょの はる にね、 Yoko はボクに おとーとぶん を連れてきた。
ヒナでおとこの子っぽいから “ひなきち” だって。 あんちょく な ねーみんぐ だよね。 ボクの名前も ぴぃ だしさ。 あたりまえだけど、そのうちヒナじゃなくなっちゃって “きっちゃん” になった。 ふつう なまえ つけるときって、もっとよく考えるもんじゃない? まぁ、いいけどさ。
きっちゃん はね、ボクより体はちいさいくせにね、力が強くてさ、
元気で、ボクより あくてぃぶ。。。
それにね、ヤツは飛べるんだ。 あちこちへ軽々飛んでいく。
・・・・・・はじめて きっちゃん とあったときはさ、まだヨタヨタ歩く赤ん坊だった。
みーみーぴゃーぴゃーいいながら近づいてくる。
えいりあん だよっ!
「コッチ来んなっ!」 って、いっくら言っても近づいてくるんだ。 ボクは逃げ回った。
ボクはそれまでずっと、ひとりぼっちだった。
このうちに来るまで、いろんな ヒト のうちにいたよ。 いろんな ヒト が通っても、カゴの中にうずくまってれば、ダレもボクには さわれない。 ボクは あんぜん だった。 だから・・・ずっとひとりだった。 でも、それでよかったんだ。 ソバによってくる きっちゃん は、 めーわく だった。
でもね、何日かたったとき、いきなりアイツが飛んだんだ。 さっきまで、ボクのあとをトコトコ歩くだけだった きっちゃん があっというまに遠くまで行った。
ボクね、びっくりした。 飛ぶ ってどーゆーカンジなのか、考えたこともなかったんだ。
あせって きっちゃん のところへ行こうと思ったけど・・・ ボクもとび上がってみたけど・・・ ダメなんだ。 ぜんぜんうまくいかない。
みるみるうちに きっちゃん は飛ぶのが上手になったよ。
なんでだろ。
・・・ボクは きっちゃん みたいに、じょうずに枝につかまれない。 ボクは きっちゃん みたいにすばやく動けない。 ボクは きっちゃん みたいにうまく じゃんぷ できない。 ボクの羽は きっちゃん みたいにうまく動かない。 ボクは・・・ ボクは きっちゃん とチガう。
そのときから、ボクは きっちゃん のあとを追いかけるのにムチュウになった。
たんす の上とかさぁ、ボクが行けないとこ行っちゃって、下からいくら呼んでもシラン顔してたりするとさ、なんだよっ! って思うけどね。 でも見上げると、白い羽と青いおなかがね、まぶしいんだ。 きっちゃん の白い羽は、はじめて見た キレイなもの だった。
だからボクは、いつでも きっちゃんを追いかけた。 きっちゃん の隣にいるとさ、なんだか あんしん したんだ。
きっちゃん と一緒の3回目の はる が来たとき、きゅうに きっちゃんの姿が見えなくなくなった。 あったかい晴れた日だったよ。
ボクは、Yoko を楽しそうに追いかけて遊んでる きっちゃん をカゴの中からぼんやり見てた。 その日、ボクのからだは、ゆーことをきいてくれなくてさ、きっちゃん のあとを追いかけたくても、いっしょうけんめい木につかまって、ジィっとしてることしか出来なかったんだ。 ときどき、きっちゃん と Yoko が ぼおっ と遠くに見えてた。
気がついたら部屋の中が静かだった。 何回か きっちゃん を呼んだけど、返事がないんだ・・・。 きっちゃんの声が聞こえないことに気がついて、ボクは ぱにっく になった。
だって、アイツが ばぶばぶの赤ん坊 でボクのとこにやって来たときから、ずっと一緒だったんだよ。 離れたことなんてなかったんだ。
だからあちこち探した。 部屋中歩き回った。
Yoko の足をよじ登っていって、ムチュウで Yoko の髪の毛の中も探した。 でも、かくれんぼ じゃなかった。 きっちゃん の声はどこからも聞こえない。
ボクは もしゃもしゃ の髪の毛の中から もしょもしょ って顔を出した。
Yoko の頭のてっぺんは、ボクが行ける一番高いところだった。
・・・これまでこんな高いとこ、登ったことなかったナ。
そこから見る部屋の中は、いつも見てるのと違ってた。 ちょっとこわかった・・・それから・・・
・・・それから、きっちゃんは、ここから見えるモノより、もっと広くて、もっと高いところを見に行っちゃったんだって、わかった。
それからボクは、毎日 Yoko の頭の上によじ登った。 どうしてかナ・・・。
ナニかは、わからないけど・・・ 見たかったんだ。 きっちゃん が見てるものを、ボクも見たかった。 それに・・・
・・・こわかったんだ。
<3話 小さな声: つづく>
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みーみーぴゃーぴゃーいいながら近づいてくる。
えいりあん だよっ!
「コッチ来んなっ!」 って、いっくら言っても近づいてくるんだ。 ボクは逃げ回った。
ボクはそれまでずっと、ひとりぼっちだった。
このうちに来るまで、いろんな ヒト のうちにいたよ。 いろんな ヒト が通っても、カゴの中にうずくまってれば、ダレもボクには さわれない。 ボクは あんぜん だった。 だから・・・ずっとひとりだった。 でも、それでよかったんだ。 ソバによってくる きっちゃん は、 めーわく だった。
でもね、何日かたったとき、いきなりアイツが飛んだんだ。 さっきまで、ボクのあとをトコトコ歩くだけだった きっちゃん があっというまに遠くまで行った。
ボクね、びっくりした。 飛ぶ ってどーゆーカンジなのか、考えたこともなかったんだ。
あせって きっちゃん のところへ行こうと思ったけど・・・ ボクもとび上がってみたけど・・・ ダメなんだ。 ぜんぜんうまくいかない。
みるみるうちに きっちゃん は飛ぶのが上手になったよ。
なんでだろ。
・・・ボクは きっちゃん みたいに、じょうずに枝につかまれない。 ボクは きっちゃん みたいにすばやく動けない。 ボクは きっちゃん みたいにうまく じゃんぷ できない。 ボクの羽は きっちゃん みたいにうまく動かない。 ボクは・・・ ボクは きっちゃん とチガう。
そのときから、ボクは きっちゃん のあとを追いかけるのにムチュウになった。
たんす の上とかさぁ、ボクが行けないとこ行っちゃって、下からいくら呼んでもシラン顔してたりするとさ、なんだよっ! って思うけどね。 でも見上げると、白い羽と青いおなかがね、まぶしいんだ。 きっちゃん の白い羽は、はじめて見た キレイなもの だった。
だからボクは、いつでも きっちゃんを追いかけた。 きっちゃん の隣にいるとさ、なんだか あんしん したんだ。
きっちゃん と一緒の3回目の はる が来たとき、きゅうに きっちゃんの姿が見えなくなくなった。 あったかい晴れた日だったよ。
ボクは、Yoko を楽しそうに追いかけて遊んでる きっちゃん をカゴの中からぼんやり見てた。 その日、ボクのからだは、ゆーことをきいてくれなくてさ、きっちゃん のあとを追いかけたくても、いっしょうけんめい木につかまって、ジィっとしてることしか出来なかったんだ。 ときどき、きっちゃん と Yoko が ぼおっ と遠くに見えてた。
気がついたら部屋の中が静かだった。 何回か きっちゃん を呼んだけど、返事がないんだ・・・。 きっちゃんの声が聞こえないことに気がついて、ボクは ぱにっく になった。
だって、アイツが ばぶばぶの赤ん坊 でボクのとこにやって来たときから、ずっと一緒だったんだよ。 離れたことなんてなかったんだ。
だからあちこち探した。 部屋中歩き回った。
Yoko の足をよじ登っていって、ムチュウで Yoko の髪の毛の中も探した。 でも、かくれんぼ じゃなかった。 きっちゃん の声はどこからも聞こえない。
ボクは もしゃもしゃ の髪の毛の中から もしょもしょ って顔を出した。
Yoko の頭のてっぺんは、ボクが行ける一番高いところだった。
・・・これまでこんな高いとこ、登ったことなかったナ。
そこから見る部屋の中は、いつも見てるのと違ってた。 ちょっとこわかった・・・それから・・・
・・・それから、きっちゃんは、ここから見えるモノより、もっと広くて、もっと高いところを見に行っちゃったんだって、わかった。
それからボクは、毎日 Yoko の頭の上によじ登った。 どうしてかナ・・・。ナニかは、わからないけど・・・ 見たかったんだ。 きっちゃん が見てるものを、ボクも見たかった。 それに・・・
・・・こわかったんだ。
<3話 小さな声: つづく>
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2008,04,22, Tuesday/yoko
2話 待ち人

ボクの一日はね、まず、どうきょにんを起こすことから始まるんだ。 これが結構じゅうろうどう。
さいきんは、お陽様が顔を出すのが早くなってきてるからね、 時間は… そうだね、起こしに行くと、どうきょにんが
「ん~、おはよぉぉ~…ぴぃさん。。。 っって、まだ5時半じゃんっ。」
って言うから、まぁそのくらいの時間。 でもせっかく起こしてあげても、そのあとぜったい寝ちゃうんだ。 寝る前にボクに必ず
「んー、 おやすみー、ぴぃさん。。。 あとで起こしてね~」
って言うくせに。 どうして欲しいのさ… こっちの身にもなって欲しいよね、まったく。
さてっと… そろそろ時間かな。
ボク、飛べないからさ、まずこの長ーい階段をトコトコ降りていく。一日の始まりこそ、あくてぃぶに行かないとね。 なにせ、どうきょにん は ていけつあつ だから。 意味はわからないけど。
よいっしょ、っと。
……れ…… 今日はこっちの部屋に居ないみたいだね。
あの人はボクと一緒の部屋で寝てるときもあれば、ちがう部屋で寝てるときもあるからね。 気分で変えるんだって…。 まったく、さ… 世話がかかるよ。
じゃ、今日はあっちかな。
まずね、あの人の顔をクチバシで “ちょんちょん” ってする。 それでも起きなかったら頭によじ登って、あの人の耳の側で 発声練習 をする。 まぁー、たいがいそれで一度は目を開けてくれるよ。
…あれ…… なんだかシーンとしてる… お布団はあるけど…ね。 「おはよー、ぴぃさん」 の声がしない…
台所にもいませんね~。 トイレかな? 呼んでみるけど、返事ナシ。 お風呂の音もしませんね~。
だれかいませんかぁ~ ……って、ボクの歩くカサコソしか聞こえない…
今日は一人で おるすばんの日 なのかな。 たまにあるんだ。 ボク一人でおるすばん。
もぅすぐ帰ってくるかな…。 たまーにあるんだ、ながーいことどっかにいっちゃうこと。
でも、そういうとき、ボクは違う人のおうちにつれていかれちゃうんだけどね。 だから今日は違うね、すぐに帰ってくる日だよ…… たぶん……
あっ、もしかして、あの人、お布団のスキマに挟まってたりするかも。 たまにワケのわかんないとこで寝てたりするからね。
お布団のスキマ、、、 あはは~ …やっぱし居ませんね~…。
でもさ… ホントにこのまま帰ってこなかったらさ… またボクひとりぼっちになっちゃうじゃん… うぉ~…考えてたらナーバスな気分になってきた。 Yokoのばかぁっ…
うん…… やっぱり早起きしすぎかな… ちと眠くなってきたみたぃ。 外の音が遠くに聞こえてきたよ……
ねえ、Yoko… こういうの、 ふあん っていうのかな……
……あ…… カチャカチャ音がする…
「あれ?」 Yokoの声だ! 「ぴぃさん、どこ~?」
ここだよぉー! ここだよぉっっー!
「ありゃりゃ… こんなとこで待ってたのかっ!? ごめんよぉ、ぴぃさん。 さみしかったのか? ごめんごめん。」
さみしかないやっ! ごめん、じゃないやっ! Yokoのばか~っ!!
「はぃはぃ、ごめんよ。」
ボクはお布団の上から Yoko の手の上によじ乗った。
「ぴーさん、 おはよー」
Yokoの手が冷たいから…… あっためてあげたかったのか、ボクのムネがきゅんってしたからか、わからない…… おもわずその手に、たいりょう~っの愛の吐き戻しをプレゼントしてた。
「げっ!」
げっ!ってなんだよっ!
「ありがとね」
そういって、Yoko はボクを抱きしめようとするっ! ぁぁぁあ~~っっ、触られるのはイヤだって言ってるじゃんっ~!! Yokoのばかぁ~!!

アバレれようかと思ったんだケド
でも、なんとなく……
なんとなく……
ボクは、ちょっとだけジッとして
あげててもいいような気が
したんだ。
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▲
2008,03,30, Sunday/yoko
1話 おかしな呪文

ボクのどうきょにんは、ボクのイヤがることはしないよ、って言う。
でも、一人で留守番させたりするし、大好きなご飯もヘンなお菓子みたいのに変えちゃうし、おまけに朝はチっトモ起きてくれない。 起きてる!って思ったらヘンな時間に寝ちゃったりするしさ。 あのヒトを起こす仕事は、まいにちホント、大変なんだ。
それでも、ボクのどうきょにんは、イヤがることはひとつもしてないと思ってるんだ。 この間までボクのこと女の子と思ってたクセに。 カンケイないけどね。
最近、イヤなことがまたひとつ増えた。 ボク様のことを触ろうとするんだ。
あのヒトの手とか足とかにくっついてるツメはボクの恋人だし、あのヒトの手に乗って遊ぶのもスキだよ。 でも触られるのはイヤなんだ。
両の手のひらでボクのことを覆う。 ぎゅっとニギったりはしないけど…
ちょっと…怖い…うぅぅ…こういうの、何てひょうげんするのかなぁ…ほんのうてきにフカイ? そう、そんなカンジ。 だからボクは、いっしょうけんめいあばれて逃げてやるのだ。
でもあのヒトにくっついてるツメはボクの恋人だから、いつまでも離れてるわけにはいかないよ。 ボクはナイトだからね、かのじょにご飯も食べさせてあげなくちゃいけないし。
だからすぐそばに行くんだ。 すると、あのヒトはまたボクを捕まえる。
ひきょうだっ!
あんまりヒツコイから、ちょっとだけおとなしくしてみたんだ。
そしたら、あのヒトがヘンな呪文を唱えるよ。
「かきかき…はぃ、ぴぃちゃん、かきかき…」
そしてボクのあたまを、そぉっとなでる。
…ん…
何かと思って、ボクもそぉっとあのヒトを見上げたんだ。 そしたら、ボクの耳の後ろをしょこしょこっとなでながら、また呪文。
「かきかき…怖くないよ。かきかき。」
……れ…… いまちょっとヘンな気持ちがした。
でもいけない。 このままでは術にハマってしまう。 あわててボクは手のひらの隙間をくぐって逃げ出した。
でも…さっきのあのカンジはなんだったのかな…
ちょっとだけ離れて、あのヒトの顔を見たんだ。 そしたら笑って 「まだ怖い?」 ってボクに聞いた。
…怖くなんかない。 怖いんじゃない。 怖いのかな…。 よく…わかんない。 でも、ただ ………イヤなんだ。
「ごめんごめん。 じゃ、お詫びにコレ差し上げます」
そういって、粟穂をくれた。
コレ大好きなんデス。 だから……つい夢中になってタベテシマッタ…

…あ……怒ってたの忘れてた。
ひっ ひきょうだぁ~!!
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ちょっと…怖い…うぅぅ…こういうの、何てひょうげんするのかなぁ…ほんのうてきにフカイ? そう、そんなカンジ。 だからボクは、いっしょうけんめいあばれて逃げてやるのだ。
でもあのヒトにくっついてるツメはボクの恋人だから、いつまでも離れてるわけにはいかないよ。 ボクはナイトだからね、かのじょにご飯も食べさせてあげなくちゃいけないし。だからすぐそばに行くんだ。 すると、あのヒトはまたボクを捕まえる。
ひきょうだっ!
あんまりヒツコイから、ちょっとだけおとなしくしてみたんだ。
そしたら、あのヒトがヘンな呪文を唱えるよ。
「かきかき…はぃ、ぴぃちゃん、かきかき…」
そしてボクのあたまを、そぉっとなでる。
…ん…
何かと思って、ボクもそぉっとあのヒトを見上げたんだ。 そしたら、ボクの耳の後ろをしょこしょこっとなでながら、また呪文。
「かきかき…怖くないよ。かきかき。」
……れ…… いまちょっとヘンな気持ちがした。
でもいけない。 このままでは術にハマってしまう。 あわててボクは手のひらの隙間をくぐって逃げ出した。
でも…さっきのあのカンジはなんだったのかな…
ちょっとだけ離れて、あのヒトの顔を見たんだ。 そしたら笑って 「まだ怖い?」 ってボクに聞いた。
…怖くなんかない。 怖いんじゃない。 怖いのかな…。 よく…わかんない。 でも、ただ ………イヤなんだ。
「ごめんごめん。 じゃ、お詫びにコレ差し上げます」そういって、粟穂をくれた。
コレ大好きなんデス。 だから……つい夢中になってタベテシマッタ…

…あ……怒ってたの忘れてた。
ひっ ひきょうだぁ~!!
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