7 /24 (火)

Marti 24 Iulie 2001

さてさて・・・・朝の6時半。起きて総チェック。8時半。原稿を仕上げて送信。ほっと一安心。

ビュッフェで朝食を食べる。あっ忘れてた・・ってんでせっかくだからアガサ・クリスティーの部屋を見せてもらう。当時のまま保存されているのだ。でも、見てみたら小さなお部屋でゴージャスってわけではなかった。ちょっと意外。小さなベットに、小さな机。書き物机ではないの、ティー用の丸テーブル。オリエンタル急行殺人事件が発行された当時のものだろうか、新聞記事とか、作品がちょこっと置いてある。

それから荷造り。11時チェックアウト。タクシーにのってアクサライのバス乗り場へ。バス会社に荷物を預けてから、トランバイに乗ってグランドバザールへ。皮のマスクと人形などなど・・・残ったレイを使うためにがんばってみる。

しかし・・・・いままであれだけケチって値切っていたのに、最後は使うためにどうでもいいものまで買っちゃうんだよね。ばかだなぁ・・・で、大金?を使わないといけないのでハマムへ行く。まだお昼だし、というわけでお客さんも少ない。おかげでこの間よりマッサージが長かった。ところでこの間のケセジさんではなかった・・・。

3時。ハマムを出てトランバイに乗る。まだ残ってるんだよなぁ、トルキッシュレイ。おなかすいてないのに、腹ごしらえ。トルコは食べ物が安い。ケバブ(75円)、お水(25円)、アイス(55円)じゃぁね・・・大して減らない・・・。路上でトルコ名物の魔よけを一個1ミリオンで10個買う。今までだったら半額まで負けさせてるところだな・・・と思ったけど、売ってたのおじいちゃんだったから、まあ、いいや・・・。残ったお金50円くらい。誰かに渡そうと思ったけど、こういうときには誰も寄ってこない。

トルコの魔よけ

この目玉はあちこちで売ってる。大きさもさまざま。

で、オトガルへ。恐ろしく蒸し暑いですっ!!!。バスの中は死にそうな暑さ。私事ですが・・・体質的にあまり汗をかかないので「新陳代謝に悪い!」となるべく汗をかくようにしていた。クーラーは使わないようにしてたし。というわけで、ここ数年、暑いのがそれほど嫌じゃなくなっていた。にもかかわらず、このバスの中は耐え切れん!大きな荷物をバスの横腹に詰めてもらって、座席に荷物を置いて外に飛び出す。出発時間までコーヒーを飲んで一休み・・・と言いたいけど、日のあたる席しか空いてなくて、熱いコーヒーは耐え切れない暑さに拍車をかけるだけとなる。

バスの中の雰囲気が今までとえらく違う・・・・トルコに買い付けにきていたルーマニア人ばかり。これまでの観光気分が一気に吹っ飛んだ・・・。イスタンブール・4時出発。ここからが恐ろしいことになるのである。走っている時間より、国境にいるほうが長い・・・。

トルコの国境に7時着。さていきなりだよ・・・出国できず。理由がよくわからずにいたら、どうやら4人ほどの荷物に問題がある、ということで、その方々ポリス事務所に連れてかれてるらしい。おいおい・・・・8時40分ころ、車が動き出す。おっ、やっと出国できるのか??? と思いきや、ちょっと車を動かしただけだった・・・。妙な期待をもたせないでほしいの・・・。もう、とにかく退屈で退屈で・・・私なんか (えーいっ、置いていってしまえっ!) って心持ちだったんだけど、ほかの人たちは、そんなもんだ、とばかりにのんびりしている。やっとその方々が現れたけど 「おっ、来た来た」 ていう程度。結局ブルガリア入国がすんだのは10時45分。あー、ドアムネである。おまけに、バスの外で休憩してたらマケドニアから来てるっていうおじさんが話し掛けてくる。ルーマニア語なんだけど、最初、何言ってるんだろ??と思ったら、「ブカレストに泊まるからホテルに来てくれ」 てなことを小声で言う。で、Nemoto、ブチぎれるっ!・・・まったくたちが悪いぞ。いきなり会った相手にどうしてそういうこと言えるかなぁ・・・わからん。

バス会社のお姉ちゃん、アナ・マリアは多分とっても若い女の子だと思う。で、何度も定期的に買い付けにきている人たちは彼女のことをよく知ってるんじゃないかな。どうやらアイドル的な存在のような気がする。甲高い声でしゃべりながら、とにかくすべての事柄に対して一生懸命なのである。声を張り上げて 「みなさん、わかった?」 その一生懸命さはかなり好感が持てる。だからだろうか、そのとても若い女の子に対して乗客たちがおば様含めて、甘えてる感じがするの・・・。それがなんとなくほほえましい。「ねえ、アナ・マリア、水が飲みたい」 「アナ・マリア、コーヒーがいいな」 「アナ・マリア、ここの欄は何を書き込んだらいいの?」 「ねえ、アナ・マリア、これでいいのかしら」 ・・・ねぇ、アナ・マリア・・・・・あちこちで声をかけられる。めんどくさい注文もあるだろうに、いやな顔一つせず、とにかく 「だー?(なあに?)」 と一生懸命。私まで愛しい気がしてきたよ・・・。

バス会社のお姉ちゃん、アナ・マリアが 「時間が遅くなっちゃったから食事時間は取れないの。みなさん、それでいいかしら。」 で、乗客たち、特に男性人は 「そりゃぁ、ないよ。お腹空いて死にそうだ。」 云々。そりゃぁそうであろう・・・トルコ−ブルガリア国境に4時間近く、出発してすでに7時間経過している。で、とにかく、ブルガリアに入ってすぐの休憩所でちょっとだけご飯タイムを取ることにした。15分もとらなかったんじゃないかな。食べといたほうがいいかな、と思って、鶏肉とキャベツのサラダを注文。あわただしく食べたら胃が痛くなってお腹が張ってきた。イタタ・・・

出発したら今度はバスの中でビンゴ大会が始まった。アナ・マリアが先ほどの休憩所であわただしく何か買い物をしていたと思ったら、これの景品だったのね。「みなさーん、ビンゴやるけど、当たった人は音楽がかかったら踊らないと景品はもらえないの。わかりましたかぁー。それでいーい??」 ってなかんじでまたもや一生懸命。コーヒーメーカーとか、首飾りとか、そんな高価なものではないんだけれどね。「おめでとうっ!」 と声を張り上げて拍手したり盛り上げるのも、アナ・マリアは一生懸命。座席番号で4人の当選者。というわけで、ひとしきり音楽がかかって当選者は狭い通路で踊らされてた・・・・ラテン民族である。

通路をはさんだ斜め前のおば様は山ほどの買い付けの荷物をバスの中のあちこちに分散してる。何でそんなことするのかしら、と思ったら、どうやらルーマニアの税関対策だったらしい。私の足元にもサンダルを置かせてくれとかいうし。おば様の後ろにはジョージアに住んでて奥さんと子供が今ブラショフにいて、会いに行くところだという、ルーマニア語を少し話す外国人。おば様のシートの背もたれが壊れているらしく、「ガコッっ」 とえらい角度で倒れてしまう。彼女が悪いわけではないけれど、なんとなくその外国人には彼女の印象がよろしくない。その上、彼女は狭い車内を動き回り、人様の迷惑顧みず自分の荷物をあちこちに隠す。しまいにゃぁ、どでかい箱をその外国人の足元に置こうとする。で、あれやこれやあって、さすがにその外国人も切れた。

「この荷物、ちょいとあなたの足元におかせてね」
「ヌー!!」

「あら、どうしてよ。大して邪魔になりゃしないわよ。座席の下におくんだから」

と嫌がっているのをものともせず、グイッと荷物を押し込む。不承不承黙り込む外国人。まあまあ・・・大変である。彼の気持ちもわかる。でも、あちらも生活かかっているからなぁ。

とにかく疲れて眠いのだけれど、通路側に座っていて、隣は男性。私は降りたくなくても、その人が降りようというときには席を立たなくちゃいけないし。国境でも寝ようかと思うとパスポートを出せだの受け取れだの、また出せだのとちょこちょこ起こされる。夜中にやっと少しうとうとしだす。いきなり頭にガゴンっ!と衝撃が走って、眠かったのと、何が起こったのだ? というのと先ほどのおば様の荷物が落っこちてきたのかっ!というのとで訳のわからん腹立ちが・・・で、「なんだぁ〜っ!」とつい日本語で叫ぶ。横を見たら、隣の男性が顔をしかめておでこを掻き毟っている。・・・・ 大笑い・・・で、「よしよし、大丈夫?」 と声をかけたんだけど、とにかく眠い私はまたもやそのまま眠りに引きずり込まれた。

でも、この人、実はとってもいいヤツだったのである。パスポートで私よりひとつ年下だというのがわかったんだけど、どう見ても私より年上に見える。あちらはあちらで子供に見えると思っているようである・・・・ルーマニア人で、Tシャツとズボンでキャップを被ってるってシンプルな服装。でも、素材も良さそうだし (ルーマニアで買う物のの質は、はっきりいってあまりよくないのだ。) 妙にすきっとしておる。しかも、なかなか アラタ・ビーネ !(見た目良しっ!) スーツケースもなんだか高そうな立派なやつ。ルーマニアらしくないなぁ・・・何してる人だろう。

ルーマニアの入国時に、例の何を持ち込むかの書類が手渡される。よくわからんなぁ・・と思っていたら親切にあれこれ教えてくれた。別にブランド物やタバコとか税関で引っかかりそうなものは一切買ってないし。申告するものなんか何にもないよな、と思ったんだけど、とにかく全てを書かなくちゃいけないらしい。でも、ケバブの金串、とかお守り、とかランプの形のランプとか、細かいものを説明するのもめんどくさい。実際細かすぎて自分で何を買ったのかもよく覚えてない。で、「何にもないから大丈夫。」

通路をはさんだ例の外国人男性は、私よりルーマニア語が達者なくせに、「なんでルーマニア語の書類しかくれないんだぁ・・・俺は読めない。わからない。」とほとんど泣きそうな声を張り上げる。いやぁ、マジで。ルーマニア語はローマ字表記。書かれたまま発音すればよろしい。であるからして、喋れたら読めそうなもんだが・・・謎である。元共産国に入るっていうのは、独特の圧迫感がある。私もモルドバに入るときそうだったものな。大して価値のあるものではないのに、わけもわからず荷物を没収されちゃうかもしれない、っていうのがあるんだろうな。で、いい奴が 「わかった、わかった」 という具合に外国人の書類も書いてあげる。「何を持ってる?」 「奥さんと子供にチョコレートを買った。あとは、あれとこれとそれと云々・・・」 「これで大丈夫だよ」 「あっ、まだあった!」 ・・・・ てな具合。

今度の国境越えはドナウ河越え。夜中3時ころ、真っ暗な闇の中を走る錆びた鉄の甲板の上にバスが4台ほど。甲板の上でやっと、「あれっ?何でだ・・・そうか、ドナウ河を越えて入国なんだぁ」 と地図が浮かんでくる。

パスポートを集めにルーマニアの役人さんが入ってきた。私のパスポートを見て、長期滞在でもあるし、なんやかや。ほかの人とは別に話があるから残って、てな感じ。役人さんが行ってしまってから、となりのいい奴が、「何かあったら僕が説明するから。観光だって言い張っていればいい。とにかく、荷物の検査の時は僕の隣にいて」 といってくれている。さてさて・・・バスの横腹から鞄を取り出し、開けて自分の荷物の前に一列に並ばされる。全部チェックされるのである。私の荷物は彼とは反対側の扉であった。おまけに私と同じ側の人は3人くらいしかいない。目立っちゃうじゃん・・・と向こう側に移動しようと思ったら、となりのおば様に 「こっちでいいのよ」 と制される。私も、<ややっ、ギリシャのウゾー以外申告してない。やばいか???> とちょっと心配になってきた。100円200円の品物でも一生懸命選んで買ったのであるからして没収されたら癪である。何気に例の外国人のおじさんは鞄からいろんなものを取り出されて、いろいろ説明を要求されてる。で、ほかの人が終わって私の番。でもやっぱり 「ちょっと待ってろ」 と言って、別のお役人を連れて戻ってきた。で、いろいろ聞かれる。「どこへ行く」 「どこに住んでる」 「そこで何してる」 云々・・・ 「今、ブランドラ劇場で勉強してる」・・・その途端態度が一変。同僚に 「おいっ。この子はブランドラにいるそうだぞっ!何とかって俳優知ってるかっ!?」 判らなかったけど 「うん、知ってる」 「彼はいい俳優だ。」 「そうだね、そう思う。(私も調子いいなぁ・・・)」 「ブランドラの俳優ほかに誰か知っているか?」 「誰と誰と誰は友達だよ」 「そうか、そうかっ!」 てな感じ・・・で、荷物もふたを開けてチラッと見ただけで終わっちゃった。さすが、有名劇場のネームバリューはすごい・・・ それとも、お役人さんがミーハーだっただけなのか・・・ふと見たら反対側でさりげなく見張っていてくれてた彼の姿があった。いい奴だな・・・。

ところで、バスの中の荷物はチェックされなかった。あのおばさま、あんなに一生懸命隠してたのは、そういうことか・・・全部すんで、やっと一息。トイレにいっってふと見たらおなかあたりが何だかまだら模様。「???」 どうやら湿疹ができてるみたい。あちゃ・・・イギリスでなったのとおんなじ症状か?? おなか張ってる感じがあるからきっとそうだ・・・。

バスの中に再度乗り込む。5時半頃出発。いい奴が窓際の席に変わってくれる。例のおば様は車内を汗だくになって、あちこちに隠した荷物の回収作業に走り回っている。どこに何を隠したかよく覚えてるなぁ・・・などと感心しながら、後は着くまで何もないので安心したらうとうとしだした。そのうち完全に熟睡しちゃったみたいで誰かの声で起こされる。「どこまで行くつもりなの?」 「えっ??? ブカレスト・・・」 「じゃぁ、ここで降りなくちゃ。もうすぐ着くよ。」 寝ぼけ眼でふと見たら、隣は知らない男性に変わってる。「???」 どうやら、例のいい奴は途中で降りたみたい。<あー、それで荷物を車内に持ち込んで、席を代わってくれたのかぁ>で、彼女を起こしてやってくれと、この人に頼んでいったようである。さわやかな好青年であった・・・。というわけで、ちょっとしたロマンス物が書けそうなネタであったなぁ・・・などと思っていたけど、バスを降りた途端ブカレストという現実に一気に引き戻されるのであった・・・・

 

 

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