わたくしごと         「隙間企画」代表 根本陽子

 2000年の9月、文化庁の芸術家在外派遣制度でルーマニア行きが決まっていたわたしは、ある取材の「日本に戻ってきてからどんなことがしたいですか?」という質問に、「俳優としてだけではなく、日本のいろいろな地域に住むクリエイターたちをつなぐネットワークつくりに着手できたらいいなと思う。」と答えた。

 その後、ヨーロッパで経験した国際演劇祭は、それぞれの都市にある "劇場(日本でいう劇団)" がネットワークを組み、スケジュールを調整することで、例えば招待された日本の一つの劇団が一度の渡航でいくつもの国の演劇祭を回ることが可能になっていた。

PROFILE

1985年、前橋女子高等学校を卒業。
 1987年4月、【東京演劇アンサンブル】付属の俳優養成所に入所。翌88年1月、「思い出のブライトンビーチ」(ニール・サイモン原作、広渡常敏 演出) ブランチ役に抜擢。以来、「かもめ」(A・チェーホフ原作、広渡常敏演出)のニーナ役で、日本人として初めてモスクワ芸術座、タガンローグ(チェーホフ生誕地)の舞台に立つなど(1993年)劇団の中軸をになう俳優として活動を続けてきた。

 1999年「桜の森の満開の下」(坂口安吾原作、広渡常敏演出)のブリヤート共和国、イギリス公演では、踊り手として現地からも高く評価される。

 1997年から同劇団の演出家・岡井直道 主宰の【劇団アンゲルス】(石川県金沢市)に参加。
 2000年10月から一年間、文化庁の芸術家在外研修員として、ルーマニアの首都ブカレストにあるTeatrul Bulandra(ブランドラ劇場)に在籍。
帰国後、東京演劇アンサンブルを退団。

 2005年、“様々な地域に住むクリエイター間のネットワーク創り”を掲げて、前橋にて【隙間企画】を立ち上げる。

現地入りしてみると、劇場の俳優達が中心となり街ぐるみで、何カ国、何十カ国から招待した言葉の違う芝居屋たちの、食事から宿との行き帰りまで面倒を見ている。心うたれるすさまじい努力だった。ネットワークを組むことで、“個”では困難であったことを実現出来る可能性が増えるといういい見本だった。
 そして、ここ数年の間にわたし自身に起こったさまざまな出来事は、文化芸術における海外と日本の土壌の違いから、これまで(貧しいなぁ・・・)と感じていた日本の文化事情も、そのシステムの隙間に、西欧型とは違う“何か”---- 小さくても豊かなものを生み出せるかもしれない可能性を持っている、と感じさせてくれるものだった。同時に、“出逢えた”と感じられる人達との交流が、自分を活性化してくれる貴重な経験になるという実感も・・・。

 強迫観念のごとく(公言したからにはやらなくちゃなぁ〜)と思いながら、重い腰はいつまでたっても上がらずにいた。この集団を立ち上げるきっかけになったのは、前橋で同級生たちと集まる正月の飲み会の席で、だった。みんなが、自分自身が生き生きと出来ることを欲しているけれど、どうしたらいいのかわからずにいる、ような気がしたのである。言うだけで動かずにいるわたし自身の姿を勝手に重ね合わせたわたしは、勝手にキレた。そして酔った勢いで暴れた。(←半分だけ冗談です・笑)そして「わかったわよっ!(←いや、別に誰も何も言ってない)みんなが生き生き出来ることを仕掛けりゃいいんでしょぉぉっ〜」・・・これが2004年、お正月の出来事。。。

 東京フ前橋間のフットワークを軽くするため、バイクの免許格安取得大作戦を敢行したのが6月の終わり。免許をゲットし、お待たせしていたメンバーに集合をかけて初会合を持ったのは、04年もすでに終わりにさしかかろうという頃だった。

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 そんなこんなで始まった企画 ★じぶん活性化プロジェクトVol.1★ は、予算ゼロでスタートしました。けれど、この小さな動きにもやはり、さまざまな人が協力してくれています。それぞれの人が、これまで生きてきた中で培ってきた自分なりのネットワークを生かして、こんな一銭にもならないこと ^^!) に手を貸してくれる・・・素敵なことだと思います。そして、モノ創りを通してこうして集まってくれたみなさんの、わたしの中に(明日も頑張ろう・・・)そう思える出逢いや、出来事が起これば、創り出せたら・・・いや、そんなだいそれたことは言えません・・・それらの可能性の "芽" を!創り出せたら、協力してくださるみなさんへのご恩返しに、なるんでしょうか???ねぇ?! 

            
2005.05.07

 最近、やたらよく聞く“活性化”。市を、街を、商店街を。
しかし今回の企画は〈じぶん活性化プロジェクト〉。〈自分〉である。
「判決」に出演する大島君とは10年以上の付き合いになる。
かつて東京で名のある劇団に所属していたことは知っていたが、今回の企画を聞いた時には正直驚いた。彼はこう言った。「高校時代の仲間との演劇活動を復活させたい」「前橋を拠点としたプロジェクトを立ち上げたい。」 このリバティーで、だ。
中心となるのは根本陽子という舞台女優。聞けばかなりの実力派とか。そのひとりの女優の呼び掛けに応え馳せ参じるのは地元のかつての仲間、そして世界を舞台に活躍する金沢の劇団、さらには俳優座の若手実力派女優・・・。まさにこれは、サイボーグ009かパーマンか、はたまたチャーリーズエンジェルか。全国から大集合! ワォ!!
この舞台を見終わった後、我々は何を思い、何を得るのか。
人間の細胞は約2ヶ月で新しく生まれ変わるという。2ヶ月待たずとも、この2時間で私は私の細胞を活性化させ新しい〈じぶん〉を発見したい。そう、これは自分自身への挑戦でもある。なぜならこれは〈じぶん活性化プロジェクト〉。そしてその挑戦こそ、商店街の、街の、市の活性化につながるはずだ。

健闘を祈る。                    LIBERTY 岡部好弘

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