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貧乏女優のルーマニア便り

第4回

ルーマニアってどんな国??? (3・・・TREI)

根本陽子
東京演劇アンサンブル・演劇集団アンゲルス/俳優部所属。「奇蹟の人」<アニー・サリバン>「十二夜」<ヴァイオラ>「オセロ」<デズデモーナ>ほか多数出演。「桜の森の満開の下」<生首>では踊り手としてイギリス、ブリヤート共和国、韓国、アメリカ公演に参加。「沖縄」<垣花シズ>ではイタリア、ベトナム、「かもめ」<ニーナ>で日本人として初めてモスクワ芸術座の舞台にたつ。
現在、文化庁の在外研修生として、ルーマニアに演劇留学中!
URL:http://fame.calen.ne.jp/~yoko/
E-mail:yokonemoto66@hotmail.com



ルーマニアの治安はどんな感じ?

冬のチシミジウ公園。ブカレストで一番古く美しい公園。ニセ警官とはここで遭遇
友人、知人に「治安悪いんじゃないの?」 と聞かれても、こちらの事情をまったく知らない私は「さぁ……」。

オトペニ空港まで知人に迎えに来てもらったのでありますが、家に向かう車の中で、「街を歩く時は鞄を持つな。財布は見せるな。両替所へはひとりで行くな。野犬が多いから出歩くのは昼間だけにしなさい。エトセトラ、エトセトラ」とさんざん脅された私は、最初の1週間ほどは言いつけを守っておとなしくしておりました。

しかし、「全部守っていたら何もできんっ!」と慣れるにしたがって、ひとつ破り、ふたつ破り……。今のところは大した事件にも遭遇せず無事に生きながらえております。

いろんな方の話を聞くと、やはりこの10年で急激に治安が悪くなっているとのこと。ジプシーもかなり増えている。でも、そこはルーマニア。ニューヨークみたいに、いきなりピストルで「ズトンっ」はないみたい。まあ、せいぜい、スリとか泥棒とか。「普通に気をつけていれば大丈夫だし、ほかの国の大都市のほうが治安は悪い!」というのが今のところの感想であります。

ニセ警官とは……

古い公園なのだな、と思わせてくれる一角がいたるところにある
ガイドブック等にも載っている名物がニセ警官。話には聞いていたのだけれど、どんな感じなのかと思っていたら……私もとうとうお逢いすることができました。
手口としては、ひとりが「CHANGE MONEY?」と闇両替を持ちかける。もちろんレートはすこぶる良い。すると、警官に扮した別の男が「今、闇両替をしただろ。どれ、財布を見せてみろ」てなことをいって調べるふり。財布を返すときに現金を抜き取る、というもの。

いろんなバージョンがあるらしいのだが、私の場合。3人の男たちが一緒にいて、どう見ても仲間。ひとりが「CHANGE MONEY?」と言った瞬間に、もうひとりが「警察だ!」
……間が悪すぎだよ、君たち……明らかにニセだろう……そんな簡単に引っかかるわけないじゃないの。

ちょこっとだけ(--!)声を荒げたら警官役は驚いてホールドアップ。
……君がホールドアップしてどうする!

その輩ども、次の日はわが友人をターゲットにしたのだが……彼らも不幸だ。友人は銃弾をかいくぐってきたルーマニア語の達人。観光客とはわけが違う。彼らは「警官やるならもっとましな格好して来い!」と怒鳴られ、ショボンと去って行った。ただいま修行中のニセ警官グループと思われます。まだまだ、素朴な国なのです。この程度の犯罪ならかわいいものでございます。

麻薬・ジプシー

老いも若きも散歩や談笑、デートを楽しむ場所でもあるが、野犬も多い
が、しかし、最近は麻薬が随分と入り込んできているようです。どの程度の普及率?なのか、今のところあまり情報が入ってこないのでありますが、ビニール袋を口に当てて駅構内をふらふらしている小学生やおじさん。明らかに薬やってるな、という感じのお姉ちゃんを、たまに見かけたりします。それでも欧米の都市と比べればとても少ないとは思うけど。民主化すると、こうした闇の部分だけはあっという間に浸透してしまうのか……。

街で見かけるジプシーたち。物乞いをして食べていけるようにと、親が我が子の手足や胴体や……を切ってしまう。あるいは、自らの体の一部を切り落とす。そういう話も聞きます。包帯を巻いてじっとうずくまっている彼らを見ていると、自分がいつのまにか持ってしまった「当たり前」の感覚が揺さぶられます。

しかしここはラテン民族の国。まとわりついて来るジプシーの子供やスリより、女性がひとりと見たら「コーヒーでも?」と声をかけちゃう習性のラテン男のほうがタチが悪いかも……


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