ルーマニアの北東に隣接するモルドバ共和国。その首都キシニョフに、不条理劇作家としてサミュエル・ベケットと並び称される作家の名前を冠した劇団「ユジェーヌ・イオネスコ劇場」がある。主宰者で演出家で俳優のペトロ氏とフェスティバルの打ち合わせをするために、ブカレストから車を飛ばしてやってきた。
私が彼らのことを最初に知ったのは……んー何年前だったかなぁ…彼らがベケットの「ゴドーを待ちながら」を東京演劇アンサンブルの自前の劇場「ブレヒトの芝居小屋」で上演したことがきっかけだった。
彼らの創り出す芝居が国際的な賞を受賞しており、すでに世界の演劇シーンでは名が知られていたにも関わらず、その当時の私は、もちろん東欧の演劇のことも、彼らのこともまったく何も知らなかった。ほんとにまったくっ、なーんにもっ! あードゥムネゼウレ(神よ)! |