コラム
役者という生き方〜貧乏ものともせず
 

第21回

お気に入り旅行用鞄…のおはなし
 
根本陽子/女優
「奇蹟の人」「十二夜」「オセロー」ほか多数出演。「桜の森の満開の下」では踊り手として、イギリス・ブリヤート共和国・韓国・アメリカ公演に参加。「沖縄」では、イタリア・ベトナム。「かもめ」ではニーナ役で日本人として初めてモスクワ芸術座の舞台にたつ。
2001年、文化庁芸術家在外派遣研修生として1年間のルーマニア滞在を終え帰国。貧乏をものともせず、「集団に依存しない真のクリエイターの姿」を模索しながら活動中。
URL:http://fame.calen.ne.jp/~yoko/
E-mail:yokonemoto@hotmail.com
 
芝居の世界に入ってウン十年、旅から旅の旅がらすな私。で、それに慣れてくると、持ってくものも随分と洗練?されてくるようで(--!)
今回は《まい・ふぇいばりっと・旅・ぐっず》のおはなし。

それなりにこだわってます…鞄

街中の歩きやすさを左右するのはやっぱり鞄! ただでさえ女性は持ち物が多い。私の場合、それにパソコン、筆記用具、本、電子辞書、MDプレーヤーetc.……が加わる。“かばん好き”なわたくしですが、いわゆるブランド物には興味なし。グッチやらヴィトンやらの鞄は買わない。だって〜不便だったり、入りきらなかったり、鞄自体が重かったり……なんだもの。でも、多少はファッショナブルでないと嫌だし……で、結局は日常生活でも、トラベルグッズ専門のメーカーのものがブラボーだったりするのだなぁ……。

昨年秋、ウクライナから始まった“プチ放浪”(こんな言い方あるのか知らんが)中、おぉ〜っ買って大正解!!と日々感激してたのが、旅行グッズ専門店で買った鞄。商品名なのかはわからんが{SOLO-TOURIST(VALUE PRODUCTS CO.,LTD)}とタグが入ってる。
今まではタウン用リュックをずっと使っていたのだけど、海外では小物を出し入れする回数がやたらめったら多くなる。スリも多いし、迂闊に上着のポケットに入れとくわけにもいかないし。で、その都度、肩から降ろさなくちゃいけないから動作も大きくなる。

テーブルとしても使える鞄

急いでるときなど、パスポートやチケットやらを(あっ落としちゃった……あれっ、どこしまったかしらん??)とあたふたすることがしょっちゅう。リュックのほかに貴重品入れの小さなポーチを首から下げてみたり、肩から斜めがけしてみたり、といろいろ試したけど、上着の脱ぎ着をする際とか、これまた意外に面倒なものなのだ。

<ひとつの鞄に大事なものを全部入れておいて盗まれたら困るから、小分けして管理する>というのは私には合わない。鞄が増えるとその分気遣いも増える! 何しろ旅先では日常生活ではしない動作が増えるわけだから、気を張り続けなくちゃいけない。そういうのって、かえって緩みやすいともいえる。考え方である。
だったらその、たったひとつの鞄を盗まれないようにすれば良いだけなのだっ。

というわけで、これまでのわたくし的問題点を全部解決してくれたのが、この鞄。リュックやヒップバックタイプとは違って前に来るから鞄を降ろさずともそのまま座れて邪魔にならん。これで置き引きは防げるし、つねに抱えてる状態だからナイフで鞄を斬られることもないっ! 旅行用として細かい工夫がされてるから、いろんなものの出し入れが容易! そしてこの鞄、一押しの理由は《座るとテーブルとしても使えてしまう》ということなのでありまっす。(^^)V

旅・絵葉書・郵便局

普段は筆不精な私だけれど、旅に出ると絵葉書はよく書くようになる。街中を歩いていて気に入った絵葉書を見つけると買っておく。これまではテーブルのあるところに行かないとその気にならなかったのだけれど、この鞄のおかげで、公園のベンチや生垣の柵とか(^^!)にちょこっと腰掛けて(カキカキ……)。列車や船や……乗り物を待つ時間とか、歩き疲れてちょこっと座るとか……海外にいると、ふとエアポケットみたいに感じる時間がなぜか増える。そんなとき、私は絵葉書を書くようになった。今まで切手を買いに行くのがメンドクサイと感じてた私は、ホテルのフロントにお願いしてたのだけど……。

街中でちょっとした時間にチョコっと書く。そして顔を上げると郵便局が見える。あら……郵便局ってあちこちにあるもんなのね……で、自然にその町々の郵便局へ行くことが多くなった。その国によって雰囲気が違うからそれを感じるのもなんだか面白い。元共産圏は無表情で横柄だったりするかと思うと、戸惑ってる私を見て、混んでいるのに1枚1枚丁寧に切手を貼ってくれたり……。そして「ボンッ」とスタンプを押してくれる。

その音を聞くのが楽しくなってきた私は、あちこちに絵葉書を出しまくる。正確な住所じゃなくても、たとえば、「○○市○○町 何々様」でも届くらしいよ――と聞いて、判ってる住所でも、最後まで書かないで出してみたり。
……郵便屋さんには迷惑な話だけど……ごめんなさい。
……ちなみにちゃんと届いてました。
で、とうとう自分宛にも絵葉書を出すようになった。何を書くわけでもないんだけど――その国の切手を貼ってもらってスタンプを押してもらう……日本に戻って届いてたら楽しいかもしれない――そんな軽いノリ(^^)。

おかしなもので、荷物に左右されて行動パターンが決まってしまったりすることもある。動作が楽になるとフットワークも軽くなる。鞄ひとつのことなのに、そのおかげで違った旅の楽しみ方を発見してしまったりすると、道具ってホント大事……なんてしみじみ思っちゃったりするのだな、これが。


 
 
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肩から斜めがけ。さらに腰で止められるからある程度の重さがあっても長時間耐えてられるの
 
座るとこんな感じ(^^!) 愛用の小型VAIO君を置いてもけっこう打ちやすい! もうブラボーです
 
携帯ストラップって意外と重宝。ルーマニアでは首からお財布下げてコート着てました(^^!)。スラれないための予防策。つなげたままそのまま収納。使うときもつなげたまんま。落としたりひったくられたりもしませーん(クリックすると大きな画像を見ることができます/19kb/根本さん作です)