コラム
役者という生き方〜貧乏ものともせず
 

第24回

プチ放浪記?…おービバっ!温泉! in ブタペスト
 
根本陽子/女優
「奇蹟の人」「十二夜」「オセロー」ほか多数出演。「桜の森の満開の下」では踊り手として、イギリス・ブリヤート共和国・韓国・アメリカ公演に参加。「沖縄」では、イタリア・ベトナム。「かもめ」ではニーナ役で日本人として初めてモスクワ芸術座の舞台にたつ。
2001年、文化庁芸術家在外派遣研修生として1年間のルーマニア滞在を終え帰国。貧乏をものともせず、「集団に依存しない真のクリエイターの姿」を模索しながら活動中。
URL:http://fame.calen.ne.jp/~yoko/
E-mail:yokonemoto@hotmail.com
 
2002年10月、ウクライナ国際演劇祭に参加後、ついでにほかの国も回っていこっかしらん……というわけで、とりあえず演劇祭開催都市・リボヴから、夜行列車に乗ってハンガリーのブタペストまで。
なぜ最初にブタペストにしたのか……ウクライナが「あまりにも寒すぎるっ! 温泉にでも浸かろうかぃ??」というわけで、ブタペスト到着後、早々に向かったのが温泉場。

ハンガリーといえば…まずは温泉

ハンガリーは温泉天国。そしてオスマン帝国時代の名残でトルコ風呂があったりするのだ。トルコ風呂と言えば、ハマムっ!!(※) わたくし、昨年ルーマニア留学中にトルコに行った際、これにハマりました。

日本のひと昔前の“トルコ風呂”ではありませぬ。本来のトルコ風呂は、大きな蒸し風呂に入ってしばらく待ってると、下着姿の大きなおばちゃま(ケセジ)がやって来て、髪の毛から足の先まで、全身を洗ってくれてマッサージ。その際、石けん水に浸した大きな布袋をぎゅっとしごいて、てんこ盛りの泡を体中にのっけてくれる。この感触がまたよろしいのでございます。そして垢すり(男風呂では男性の!ケセジさんらしいですよ)と、いたって健全なものなのです。清潔さが重んじらるイスラム教の国トルコでは、みんなお風呂好き。

これは余談。観光国トルコでは、日本語を喋る人もケッコウいて、私の体を洗ってくれたおばちゃまも片言の日本語を喋った。
「キモチいいかっ?」
「う、うん……」
……なんだか……うぶな学生さんにでもなったような……倒錯した気分になった私である……。
それはともかく、「わーいっ」と喜んでいたにも関わらず、結局のところブタペストでは、時間が合わなくてトルコ式には入れなかったんですけどね。

療養施設としての温泉

で、行った先はドナウ川沿いの古くからあるというThe Hotel Gellert(ゲッレールト・ホテル)内にある温泉。「ものは試しじゃっ」とマッサージもお願いする。湯浴み着を渡されたけど、どうも……。日本式に慣れてる身に、これは邪魔で仕方ない。見てみると裸で入ってる人も1人2人はいるし……。ええぃっ! というわけで、脱ぎ捨てて裸でうろうろ。

カメラを持って入るわけにはいかなかったので、証拠写真がないのが残念なのだが、プールのようなつくりのところもあって、そこには首の牽引マシーン??がズラリ。おばさまがひとり、首を吊られながらプールに浸かっている様は、なんとも、はや、不気味な光景であった。その横で裸で横になってマッサージを受けている私もいかがなものか、とも思うが……マグロ? トド?
で、感想のほうはと言うと、クリームを塗りたくられながらのエステ式。まぁ気持ちいいことはいいのだが……んんっー、やっぱりハマムのほうがすっきりするかな。

日本式温泉の情緒……露天風呂で景色を眺めながらとっくり酒、みたいなのはなくて、ほんとに療養施設という雰囲気なのであまりくつろげなかった、はは(^^!)。何カ所か、ほかの温泉場を覗いてみたけれど、水着や帽子が必要だったりするし、“裸”になる場所が、日本とはズレてる(--!)。

いつでも行ける…じゃ、やっぱりだめ

ルーマニア滞在中、お世話になっていたルーマニアのパパに、「温泉入りたい。どこかいいとこない?」と尋ねたとき、「ハンガリーにはいい温泉があるよ」と言っていたのを思い出した。出不精な私であるからして、その時は「わざわざ隣国まで温泉に入りに行くのもめんどくさいのぉ」と出かけることはしなかったのだけど。

“いつでも行けるから、という感覚”だとほんとにどこにも出かけない。好奇心が薄らいじゃうのかもしれないなぁ。東京に住んでて東京タワーに登りには行かない、みたいなもの?? 近いんだから来てみればよかったのだ……と、ちと反省した。

まぁ、とにもかくにもこれで、寒かったウクライナから出国してほっと一息の気分。湯上りビールのうまいこと。放浪中に入る温泉は、何となく……格別(^^)V。


 
 
[次のページへ]
 
ハマム:古代ローマ時代の浴場を起源とする浴場
 
ゲッレールト・ホテルのエントランス:建物の外観はトルコだなぁ.....ここはちょっと料金は高めで、入浴料1600フォリント(約800円)、マッサージ15分1500フォリント(約700円)。マッサージは、ロッカールームに行くと係の人がやりたいかどうか聞きに来てくれる
 
ホテルのロビーにて:風呂上りの一杯。ドン・嬉野(左)と舞(右)。ロビーはかなり豪華な内装です。われわれの格好はちょっと違和感があるか???
 
トルコのパムッカレ・テルメル:ここはハマムじゃないけど、ローマ時代の遺跡が沈んでる温泉。遺跡を踏みつけたり座ったり……いいんだろうか? 源泉は水深が4.5メートルあって潜りもできる。で、試しに裸眼でやってみた。微炭酸は目が痛いのだっ!ということがわかりました...あっもちろん水着着用