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第26回 |
| プチ放浪記?…クロアチアの首都ザグレブにて |
根本陽子/女優
「奇蹟の人」「十二夜」「オセロー」ほか多数出演。「桜の森の満開の下」では踊り手として、イギリス・ブリヤート共和国・韓国・アメリカ公演に参加。「沖縄」では、イタリア・ベトナム。「かもめ」ではニーナ役で日本人として初めてモスクワ芸術座の舞台にたつ。 2001年、文化庁芸術家在外派遣研修生として1年間のルーマニア滞在を終え帰国。貧乏をものともせず、「集団に依存しない真のクリエイターの姿」を模索しながら活動中。 URL:http://fame.calen.ne.jp/~yoko/ E-mail:yokonemoto@hotmail.com |
2002年10月、ウクライナ国際演劇祭に参加後、ついでに他の国も回っていこっかしらん…というわけで、演劇祭開催都市・リボヴから、ハンガリーのブタペスト、そこからクロアチアの首都ザグレブ行きの列車に乗り込む。旅のお供は映像監督の嬉野クンと、このあと1年間、金沢市のスカラーシップ制度でベルリンのGrips
theater(グリップス劇場)へ演劇留学する森尾舞ちゃん。
深夜の駅周辺…まったくデンジャーな気配なし
ザグレブ到着、深夜0時。首都のわりに何ともこじんまりとしたかわいらしい駅。どこへ行ってもたいてい「駅はデンジャーである」といわれるもんだけれど、 ……ありっ?? 何となくようすが……変 ……怪しげじゃない ……寄ってくる怪しげな人もいない 駅の外へ出てみても、シンとした静けさが……そりゃまぁ着いた時間が時間なだけに静かなのは当たり前なのかもしれないけど。
比較的、駅の近くにあるらしいユースホステルを探してウロウロ。3人のスーツケースのゴロゴロという音が響き渡る。 ……この辺にあるはず という建物が見つからず、前から歩いてきた背の高い女性に聞いてみる。 「多分あそこらへんだと思うけど……」 と言いながら、わざわざ弟さんに電話して確認してくれた。 「この街は危険ですか?」 との我々の問いに、ハスキーボイスの迫力美人は驚いた顔で、 「この国は、女性がひとりで歩いても全然危険なんかじゃないわよ」 と答えて去っていった。 ……えっそうなの?? と拍子抜けな私。 ……いや、危険な目に遭いたいわけでは、もちろんないのだが。
無事ホテルにたどり着く。その日はドミトリー(大部屋)しか空いてない。「今日は寝るだけだからいいや」っちゅうことで、我々3人は男性部屋、女性部屋に分かれて入った。ちなみに1人1泊1000円くらい。 相棒と2人でこっそりと扉を開けてみると、もうほかの人たちは爆睡状態に入ってる。 ……バックパッカーの皆さんて夜が早いのねぇ。 どこ行っても昼過ぎまで寝てるような私には絶対彼らとの共同生活は無理だ……と思いつつ入り口付近の下段のベットが目に入ってドキリ。ややっっ、上半身裸らしい2人が仲好さそうに抱きあって眠っとるがなっ! ……ここは女性部屋……ちゅうことはレっレズビアンかぁ〜っ! もしかしてやばい部屋に潜り込むことになったのかも。 ……まぁ、いいや(いや、よくないけど) そんなことより喉が渇いて仕方ない。関心事はビールのみ。というわけで、うら若き乙女2人は深夜の街へと買い出しに出かけた。
深夜の街へ買い出し
……なんだろ?? 歩いていても違和感が、 ……ありっ?? 路駐のすべての車が、建物の周りにある歩道にピタリと横付けされて並んでる。「1ミリの狂いもないんじゃないの?!」と言いたくなるほど整然と……。そうなのだ、私がずっと感じてた違和感の正体……何でこれほどまでに“整然”としとるのだ……。
街灯は薄暗い。だから、ちゃんと夜の闇は存在している街ではある。でも、何だろ……この異常なまでの清潔感……駅の近くにある公園は日本ほど晧々と明かりがついてるわけじゃない。でも、爽やかで何者かが身を潜めるような陰がない。ちょっと歩いたらこじんまりとした繁華街。若者が多少騒いでいる声はあるけれど、やはり、白い石畳で整備された街中には危険の匂いなど感じられない。 ミルコ・クロコップ(クロアチアの格闘家で・警察官で・もんのすごいハイキック打つ選手・で・もちろん2枚目)張りの警察官をちょこちょこ見かけるし……
ケッキョク1時間半ほど歩き回ったのに1軒も開いてる店を見つけることができず、ビールはおろか水さえ手にすることなく部屋に戻ってきた私たち。よけい喉が渇いただけだった…(TOT)
翌日、改めて街を徘徊してみる。小奇麗な街中にはゴミひとつ落ちてない。首都のわりに決して大きいとは言えない繁華街ではあるけれど、おもだったブランド店が軒を並べてる。かといって建物は真新しいわけではなく、趣きのある何とも美しい街なのだ。
ホント、つくづく私はおばかだ
そして私はというと、駅に着いてからずっと苛立ってた。原因はこの“整然”さに対して、だった。多分――呆然としたかったのだ――と思う。クロアチア→内戦→軍隊→ミルコ、程度の知識しか持っていなかった私。枯れ草の塊が風で荒地をコロコロ転がってるところにポンと放り出されて、さて、どうしたもんか……みたいな感覚を味わいたかったのだ。
ところが、何の苦労もなく宿を見つけ、何の苦労もなく街中でおいしいコーヒーなんか飲めてしまう。そのことに対して、 ……なんだぁっ!! 思いっ切りヨーロッパではないかぁっ!! と、自分の無知ゆえの勝手な思い込みに過ぎない期待をものの見事に裏切られて、苛立っていたのである。
少しもアクティブになれない今の自分をどうにもできなくて、せめて“騒然”とした状況に身を置いてみたかった……でもここでは静かで爽やかな風が吹いてる……あまりに整理された感の強いこの街に対して理不尽な苛立ちを覚えてた。そして、ホント、つくづく私はおばかだ。 ……期待通りに危険がいっぱいだったからといって、自分の問題が解決するわけじゃあるまいし……自分自身にも苛立ってた。
クロアチアがどの辺なのかも知らないまま列車に乗ってきた。で、よくよく地図を見たら、イタリアとは隣り合わせだわ、アドリア海に面してるわ……豊かな国なのね。はぁ〜私はつくづく無知だ、と思い知った次第です……。
あっ、翌朝になって判明した事実。抱き合っていた2人は恋人同士の“男女”でありました。まぎらわしいぞっ長い髪の男っ! なんだぁレズビアンではなかったのですね、はは(^^!) ……というわけで、次回のプチ?放浪記は「街頭インタビュー“ホモについてどう思いますか?”in
ZAGREB」です。
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ゴミ箱:街中のいたるところにある。どうやってゴミ収集するんだろ??と思っていたら、専用のクレーンみたいなもので「ぐあしっ」と掴んで「ドバッ」とトラックに中身をぶちまけておりました… |
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焼き栗とトウモロコシ:秋ですなぁ…栗好きな私にはたまりません。街中のいたるところで売ってます。しかし、道路にはカスも落ちてない…きれい好きなのかなぁクロアチア人… |
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