コラム
役者という生き方〜貧乏ものともせず
 

第28回

プチ放浪記?〜船でアドリア海を横断 いざイタリアへ!
 
根本陽子/女優
「奇蹟の人」「十二夜」「オセロー」ほか多数出演。「桜の森の満開の下」では踊り手として、イギリス・ブリヤート共和国・韓国・アメリカ公演に参加。「沖縄」では、イタリア・ベトナム。「かもめ」ではニーナ役で日本人として初めてモスクワ芸術座の舞台にたつ。
2001年、文化庁芸術家在外派遣研修生として1年間のルーマニア滞在を終え帰国。貧乏をものともせず、「集団に依存しない真のクリエイターの姿」を模索しながら活動中。
URL:http://fame.calen.ne.jp/~yoko/
E-mail:yokonemoto@hotmail.com
 
首都から沿岸の港町ザダールへ

列車で、ウクライナ西の古都リボヴ、ハンガリーのブタペスト、クロアチアの首都ザグレブへとやってきた。次の目的地はイタリア・ヴェネツィア。それにしても列車移動は飽きてきた。なので今度は船でアドリア海を横断する企画に変更。港によって行き先と運航の曜日が違う。私たちに都合のいい船はちょこっと南に下ったザダールという港町から出るらしい。

さて、旅のお供は映像監督の嬉野クンと、このあと1年間、金沢市のスカラーシップ制度でベルリンのGrips theater(グリップス劇場)へ演劇留学する森尾舞ちゃん。そしてここに来てもうひとり。ウクライナから別経路でザグレブ入りした丹野クンが無事合流。

クロアチア内は列車よりバスのほうが便がいい。駅もバスステーションのほうが立派。夕方にザグレブを出発。独立戦争時、ユーゴの攻撃は海からで、内陸に位置する首都の建物にはほとんど影響はないが、沿岸地域にはまだその痕跡が残っている、という。道沿いに、何の気なしにぽこっと置いてあるってふうな砲台を、バスの中からいくつか見た。

束の間のリゾート気分

夜9時過ぎ、ザダールに到着。1時間後にはヨットハーバーの隣にあるユースホステルにチェックイン。地図を見ると、宿は岬の端に位置していて街の中心街から離れている。
……海沿いをバイクで走ったら気持ちいだろうなぁ……。
夏にはリゾート地として賑わう小さな港町。ならばレンタルバイクくらいあるであろうっ!というわけで、翌日フロントで聞いてみたらお店は簡単に見つかった。
1台1日借りても120Kn(クーナ)で約1800円。みんな免許持ってるし、私のは原付オンリーだけど外国人にはどうせ読めないしっ! で、2台ゲット。これで時間に縛られずに動き回れるから助かる。

海沿いを走ってて見つけたレストランでの、おいしい魚料理各種にビール、ワイン、アドリア海の潮風……ふふっ(-_-) ここザダールでは、リゾートに縁がない我々芝居屋でもリッチな気分に浸れるのでありまっす。束の間なんですけどね。

しかしみなさま、運転にはくれぐれもお気をつけを(−0−)。 私は生まれて初めてバイクでこけて、かなりへこみモード。おまけにバイクもちとへこんだ。そして、バイク屋さんには黙って返してしまった……あーん、ごめんなさい。

出港は夜。出国ゲートが開くのを一緒に待っていたクロアチア人の老夫婦がいた。話を聞いてみると、半年間こうやって2人で旅をしているのだそうだ。見ると荷物はリュックだけ。にっこり笑う2人の顔がほほえましくて……うらやましかったな。

出港の合図を待って、甲板でシャンパン片手に宴会。月明かりに透かされた雲と、海に映る月で演出された妖しい空間にやられた私たちはやや興奮気味。いきなりの地中海性気候で開放されちゃったのであろう(^^)。
とはいえ夜の海は寒いです。暖房の効いてない2等船室で丸まりながら眠り、首をさすりながら早朝6時半、イタリアのアンコーナーに到着。

列車をヒッチハイク?

ヴェネツィアまでの国内フェリーがあるだろう、と踏んでいたのでありますが、調べてみたらどうやら、ない。うぅーっ予定を変更して列車移動。港にある小さな駅までテクテク。ホームはあれどチケット売り場も見当たらなければ、ひとっ子ひとりいない。
……ここからセントラルの駅まで行けるはずなのだけど……。
……なんでかなぁ……。
と、そこへ1両の列車がやってきた。でもホーム寸前で停車しちゃった。
……なんでだろーな……まっいいや、聞いてみよ。
で、車掌さんと運転手さんらしき人を捕まえる。ややあって、
「ほら乗って。何人だ?? 荷物はそれで全部かい」
「チケットまだ買ってないけど」
「いらないよ」
「???」
車内にはほかの乗客の姿はなし。
……なんでだろ・なぁ……。

しばらくしてセントラル駅に到着。その列車は、ホームで私たちを降ろすとまた出発。どうやら回送列車だったようで。どおりで、日本人なんか珍しくないはずなのに、ホームにいた人たちがジロジロ見るわけだ。
だんだん事情が飲み込めてきたら笑いがこみ上げて来た。さすがに列車のヒッチハイクは初めてだ。ちょっと愉快な気分になって、ヴェネツィア行きの列車へと乗り込んだ。


 
 
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「一度くらいもててみたい」というドン・嬉野のご要望にお応えして、両手に花。それはさておき、やはり海と空の色が違います。夏にもう一度来てみたい
 
日々何度もお世話になってた(^^!)クロアチアのビール。クロアチアの物価は安い、多分(-−!)…というのも、頭に<超>がつくほど数字が苦手な私は、お財布の中身があんまり減らないなぁ、というところで判断してます……。だから……飲み放題?
 
出国はこの船。私の36万画素のデジカメでは、妖しい月はさすがにうまく撮れなかった。そろそろ買い替えかなぁ……